「ごめんなさいね おかあさん」前半

「ごめんなさいね おかあさん」


ごめんなさいね おかあさん

ごめんなさいね おかあさん

ぼくが生まれて ごめんなさい

ぼくを背負う かあさんの

細いうなじに ぼくはいう

ぼくさえ 生まれなかったら

かあさんの しらがもなかったろうね

大きくなった このぼくを

背負って歩く かなしさも

「かたわな子だね」とふりかえる

つめたい視線に 泣くことも

ぼくさえ 生まれなかったら

ありがとう おかあさん

ありがとう おかあさん

おかあさんが いるかぎり

ぼくは生きていくのです

脳性マヒを 生きていく

やさしさこそが 大切で

悲しさこそが 美しい

そんな 人の生き方を

教えてくれた おかあさん

おかあさん

あなたがそこに いるかぎり



この詩は、いまから27年前、
15歳で亡くなった山田康文くん
やっちゃんが作った詩です。

重度の脳性マヒで、全身が不自由、口も利けないやっちゃんが、
いのちのたけを託して作った詩です。