お母さん、何でも作れるんだね!!

<心に響いた「たった一言」>
「お母さん、何でも作れるんだね」

<「たった一言エピソード」>
我が家の長男が玉子アレルギーと判明したのは0歳の離乳食のとき。
初めて、ゆで卵の黄身をほんの少し食べさせて数時間後、
体が赤くふくれあがり、ひどく全身を痒がった。
 
 
すぐにかかりつけの病院へ連れて行き検査した結果、
重度の「玉子アレルギー」とわかった。
 
 
医者と相談の結果、まず玉子の完全除去を続け、
成長に応じて食生活考えていこうとなった。
 
 
我が家の食卓から玉子が消え、数年たって妹、弟が生まれた。
この二人は検査の結果、食物アレルギーはなかった。
 
 
安心する反面、我が家の食卓事情も変わってきた。
長女、次男には玉子を扱った食事を作らないといけない。
また、長男の幼稚園入園等、生活環境も変化してきた。
 
集団生活をするためには、周りにしっかり理解してもらうことが大切だ。
園長先生や担任、また近所で一緒に遊ぶ友達など、しっかり対話を重ねて、
周りに理解してもらいながら、体質改善の薬を一日三食服用するなど、努力を重ねた。
しかし体質は改善されないまま月日が流れた。
 
小学校入学。学校には給食がある。
事前に学校側や給食職員と話し合いを設け、毎月、献立表と原材料表をもらい、
しっかりと確認。少しでも玉子が入っているものは、
自分で作って持たせたり、給食調理の際、除去してもらった。
 
 
おかげで、パンをはじめケーキやお菓子、揚げ物、
ハンバーグなどなどほとんどの料理を玉子なしで作れるようになった。
 
 
息子のクラスに食事を届けるとき、
「おばちゃん、コックさんみたい!」
「すごい!」
と絶賛される姿に、長男も一緒に照れていた姿が今では懐かしい思い出だ。
 
 
子どもを通して色々な人が「大変ね」とか、「えらいな~」と声をかけてくれるが、
私は子どもに少しでもみんなと同じものを・・・と思うだけであって、
大変とは思ったことがない。
 
 
子どもたちが「おいしい」と笑顔を見せてくれるだけで、
幸せな気分になるから。
 
 
今年、中学生になった息子が野外活動の行事の中で「バームクーヘン作り」を体験した。
バームクーヘンには玉子を使う。でもみんなと同じ体験はさせたい。
ということで、軍手をはめてのバームクーヘン作りを行った。
作った後はみんなで試食する。
 
息子は前の晩に私が作った玉子なしバームクーヘンを持参してみんなと食べた。
野外活動から、笑顔で帰ってきた息子。
 
そして空っぽになった容器を私に差し出しながら、
 
「お母さん、何でも作れるんだね」
「先生や友達もびっくりしてたよ」
と笑顔でいってくれた。
 
 
子どもを思わない親はいない。
子どものためなら大変な事も、不思議と苦労に思わない。
 
今までたくさんがんばってきたことへのご褒美のような言葉だった。
 
うれしかった。
私は、息子にVサインを見せた。
 
 
すくすく成長していく子どもちたち、
私はこれからも料理を楽しみながら作り続けるだろう。
笑顔のごちそうさまが続くかぎり。
メルマガ「ギブ&ギブ」より